インフルエンザの症状と予防について
インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる呼吸器系の感染症です。免疫力が低下している人や、高齢者、小さな子供たちは特に感染しやすいとされていますが、誰にでも起こりうる感染症です。
典型的な症状
発熱
インフルエンザに感染すると、38℃以上の高熱が出ることが多いです。
咳 (せき)
乾燥した咳が続くことが多く、時には胸の痛みを伴うこともあります。
倦怠感
強い疲れや全身のだるさを感じることがあります。
頭痛
激しい頭痛が起こることがあります。
筋肉痛
全身の筋肉に痛みが出る、節々が痛むことがあります。
予防方法
1. 手洗い
正しい手洗いを心がけてください。石鹸と水で20秒以上手を洗うことが効果的です。(正しい手洗いをしようとすると15秒以上かかることが一般的です。ご自身の手洗いやお子様の手洗いが何秒くらいかかっているか一度測ってみてください。)
2. マスクの着用
人混みの中や公共の場所では、マスクを着用して飛沫感染を防ぎます。非常に有用です。
3. ワクチン接種
インフルエンザの予防接種を受けることで、感染のリスクを減らしたり、感染しても発症時の症状を緩和できます。
4. 人混みを避ける
インフルエンザが流行している時期は、可能な限り人混みを避けることが推奨されます。
5. 咳エチケット
咳やくしゃみをする時は、ティッシュや袖で口と鼻を覆い、飛沫の拡散を防ぎます。
このような症状が見られた場合は、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けることが重要です。また、インフルエンザは感染力が強いため、家族や周囲の人への感染拡大を防ぐためにも、予防策をしっかりと実践しましょう。
治療オプション
インフルエンザはウイルス感染症であるため、抗生物質では治療できません。しかし、症状を和らげる治療や、重症化を防ぐためのアプローチがいくつか存在します。
主な治療法
抗インフルエンザ薬
インフルエンザの症状が出始めてから48時間以内に使用することで、病気の期間を短縮し、症状を軽減する効果が期待できます。抗インフルエンザ薬はインフルエンザの増殖を防ぐための治療であり、感染してインフルエンザウイルスが急速に増加する48時間以内に使用することで非常に効果に働きます。
解熱鎮痛剤
高熱や筋肉痛を和らげるために、解熱鎮痛剤が処方されることがあります。
十分な休息
免疫システムがウイルスと戦うためには、適切な休息が必要です。
水分補給
発熱時には体内の水分が失われやすくなります。十分な水分補給を心がけましょう。
医療機関を受診するタイミング
- 症状が重い場合や改善が見られない場合
- 高リスク群(小さな子供、高齢者、基礎疾患を持つ人など)に属する場合
- 呼吸困難や胸の痛みがある場合
- 意識がもうろうとするなど、症状が急激に悪化する場合
- その他、心配ことがある場合は気軽に受診してください。(当院では発熱の予約外来があります。ホームページ上で簡単に予約できます。)
インフルエンザ感染後の一般的な療養期間表
1. 感染初日〜 発症前日 |
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2. 発症日 |
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3. 発症後2〜3日 (症状ピーク) |
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4. 発症後4〜5日 (回復期) |
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5. 発症後6日以降 (活動再開) |
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注意点
- この表は一般的なケースを基にしており、個人差があることを理解してください。
- 高齢者や小さな子供、基礎疾患を持つ人は回復に長い時間がかかる場合があります。
- 症状が軽快しても、完全に回復するまで自宅での療養を続けることが推奨されます。
- インフルエンザは感染力が強いため、家族や周囲の人への感染予防にも注意が必要です。
よくある質問
Q1 インフルエンザにかかった後、どれくらい外出を控えた方がいいですか??
一般的に、インフルエンザ発症前日から発症後3~7日間は鼻やのどからウイルスを排出するといわれています。そのためにウイルスを排出している間は、外出を控える必要があります。
排出されるウイルス量は解熱とともに減少しますが、解熱後もウイルスを排出するといわれています。排出期間の長さには個人差がありますが、咳やくしゃみ等の症状が続いている場合には、不織布製マスクを着用する等、周りの方へうつさないよう配慮しましょう。
現在、学校保健安全法では「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては、3日)を経過するまで」をインフルエンザによる出席停止期間としています(ただし、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めたときは、この限りではありません)。
Q2 インフルエンザにり患した従業員が復帰する際に、職場には治癒証明書や陰性証明書を提出させる必要がありますか?
診断や治癒の判断は、診察に当たった医師が身体症状や検査結果等を総合して医学的知見に基づいて行うものです。インフルエンザの陰性を証明することが一般的に困難であることや、患者の治療にあたる医療機関に過剰な負担をかける可能性があることから、職場が従業員に対して、治癒証明書や陰性証明書の提出を求めることは望ましくなく、提出は不要です。
Q3 児童生徒等のインフルエンザが治ったら、学校には治癒証明書や陰性証明書を提出させる必要がありますか?
児童生徒等がインフルエンザに感染し、学校保健安全法における出席停止期間が経過した後に、改めて検査を受ける必要はなく、当該児童生徒等が学校に復帰する場合には、治癒証明書や陰性証明書の提出は原則として不要です。
Q4 ワクチンは1回接種でよいでしょうか?
1) 13歳以上の方は、1回接種を原則としています 。 ただし、医学的な理由により 、医師が2回接種を必要と判断した場合は、その限りではありません。
2) 13歳未満の方は、2回接種です。1回接種後よりも2回接種後の方がより高い抗体価の上昇が得られることから、日本ではインフルエンザワクチンの接種量及び接種回数は次のとおりとなっています。なお、1回目の接種時に12歳で2回目の接種時に13歳になっていた場合でも、12歳として考えて2回目の接種を行っていただいて差し支えありません。
- 6カ月以上3歳未満の方 1回0.25mL 2回接種
- 3歳以上13歳未満の方 1回0.5mL 2回接種
Q5ワクチンの有効性について教えてください
- 国内の研究によれば、65歳以上の高齢者福祉施設に入所している高齢者については34~55%の発病を阻止し、82%の死亡を阻止する効果があったとされています。
- ワクチンを接種しなかった人の発病率(リスク)を基準とした場合、接種した人の発病率(リスク)が、「相対的に」60%減少しています。すなわち、ワクチンを接種せず発病した方のうち60%(上記の例では30人のうち18人)は、ワクチンを接種していれば発病を防ぐことができた、ということになります。
インフルエンザの予防内服について
家族や周囲の人がインフルエンザになり、様々な家庭事情でインフルエンザをどうしても強力に予防したい方
インフルエンザの予防には、ワクチン接種が最も一般的で効果的な方法の一つですが、予防的な内服薬についても選択肢があります。これらの薬は、インフルエンザウイルスの感染を防ぐか、もし感染した場合に症状を軽減するために用いられます。ただし、これらの薬剤の使用は、特定の条件下や医師の指導のもとで行われることが多いです。希望がある場合はご相談ください。
インフルエンザの予防内服薬
オセルタミビル (タミフル)
- インフルエンザウイルスの増殖を抑えることで、感染を予防したり症状を軽減します。
- 感染の可能性がある場合や、インフルエンザが流行している地域にいる人に対して予防的に処方されることがあります。
ザナミビル (リレンザ)
- 吸入型の抗インフルエンザ薬で、オセルタミビルと同様にウイルスの増殖を抑える作用があります。
- 予防的に使用する場合は、医師の指示に従ってください。
費用
オセルタミビル | ○○円 |
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ザナミビル | ○○円 |
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