便潜血
便潜血陽性とは
1.便潜血検査とは?
便潜血検査(便潜血検査:FOBT)は、便中に目で見えない隠れた血を検出するための検査です。検査は主に大腸がんの早期発見のために行われますが、他の消化器疾患の診断にも用いられることがあります。
2.便潜血陽性の原因
便潜血陽性の原因は多岐にわたります。主な原因としては、以下のようなものが考えられます。
- 大腸がん:がんが成長して粘膜を破壊すると、微量の出血が生じます。
- 大腸ポリープ:これは良性の腫瘍で、大腸がんの前駆状態とされることが多い。この状態で切除することが将来の大腸がん予防となります。
- 炎症性腸疾患:クローン病や潰瘍性大腸炎など、炎症が原因での出血。
- 出血性の消化器疾患:胃や十二指腸の潰瘍など。
- その他:アスピリンや非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の摂取、食事内容、感染症なども原因となることがあります。
大腸カメラの必要性
1. 早期発見・早期治療:
- 大腸がん:大腸がんは初期の段階では特有の症状が少なく、進行すると治療が困難となる場合があり命を落とすこともあります。早期に発見することで、治療成功の確率が大きく上がります。
- 大腸ポリープ:良性の大腸ポリープも発見・除去することができます。一部のポリープは malignancy(悪性化)のリスクがあるため、早期に除去することでがんの発症を予防することができます。
2.正確な診断
便潜血検査や他の非侵襲的な検査では、原因を正確に特定することが困難な場合があります。大腸カメラ検査により、直接的に結腸内の状態を視覚的に確認し、必要に応じて組織検査(生検)を行うことができます。
3.炎症性腸疾患の診断とモニタリング
クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患の診断や病状のモニタリングにも大腸カメラが使用されます。
4.出血源の特定
便潜血陽性や鮮血便が確認された際に、出血の原因や出血源を特定するためにも大腸カメラ検査が必要です。
5.安全性
適切な設備と経験豊富な医師によって行われれば、検査時に生じる不快感やリスクも最小限に抑えられるよう工夫されてできます。