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胃腸炎

胃腸炎とは

胃腸炎とは、胃や腸の内壁が炎症を起こすことにより、胃や腸の働きが低下し、食物の消化や吸収がうまく行えなくなります。これにより、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢などの症状が出現します。

原因や背景 

  • 感染:ウイルス、細菌、寄生虫などが原因で起こることが多いです。具体的にはロタウイルス、ノロウイルス、カンピロバクター(生の鶏肉が多い)、ウエルシュ菌(作り置きの食べ物に多く、集団発生しやすい)、サルモネラ菌(高温、多湿の夏に多い、生卵、牛)などが有名です。
  • 食物や水の摂取:不衛生な食物や水を摂取した場合、それらに含まれる細菌やウイルスによって胃腸炎を引き起こすことがあります。
  • ストレスや生活習慣:ストレスが多い、食生活が乱れている、運動不足などの生活習慣も胃腸炎の原因となることがあります。

胃腸炎の種類 

  • ウイルス性胃腸炎:ロタウイルスやノロウイルスなどのウイルスが原因で起こる胃腸炎。ノロウイルス検査の保険適応は3歳未満の患者様、65歳以上の患者様になります。もちろん、仕事上診断が必要であれば自費診療にて検査を行うことは可能ですのでお申し付けください。
  • 細菌性胃腸炎:カンピロバクターやウエルシュ、サルモネラ、大腸菌などの細菌が原因で起こります。
  • 寄生虫性胃腸炎:アメーバやジアルジア、アニサキスなどの寄生虫が原因で起こります。
  • 好酸球性胃腸炎:アレルギー疾患の一つと考えられている胃腸炎。経過が一時的なものもあるが、経過が長い場合と様々な経過がある。薬物性等も多く、内視鏡による組織検査にて診断します。

胃腸炎の主な症状

胃腸炎の症状は原因となるウイルスや細菌、寄生虫の種類により異なりますが、以下のような症状が一般的です。

  • 下痢:水様性の便が頻繁に出る。
  • 嘔吐:特に食後に起こりやすい。
  • 腹痛:主に腹部全体、または特定部位に痛みが生じる。
  • 食欲不振:胃腸の調子が悪いと、食事に対する欲求が低下します。
  • 発熱:特に細菌性の胃腸炎では、体が感染に対抗しようとして発熱することがあります。

胃腸炎の対策

家庭での自己管理法 
  • 十分な水分補給:下痢や嘔吐で水分を大量に失うため、脱水症状を防ぐためにも十分な水分補給が重要です。経口補水液が一番お勧めです。次にお茶、水、がおすすめとなります。スポーツドリンクは適量は問題ないですが、糖分が多く含まれており、胃腸・熱中症対策時にも飲みすぎるとペットボトル症候群等の合併症を起こす恐れがあります。甘い飲み物はあくまで味を楽しむための嗜好品で水分補給には向いていません
  • 体調に合わせた食事:消化の良い食事を少量ずつ摂ることが推奨されます。体調が戻ってきたら徐々に通常の食事に戻しましょう。
  • 休息:体力を回復させ、免疫力を高めるために十分な休息をとりましょう。
医療機関への相談タイミング
  • 胃腸炎症状が長期間続く場合
  • 高熱が続く場合
  • 強い腹痛がある場合
  • 下痢や嘔吐がひどく、水分補給が追いつかない場合
  • 血便がある場合
  • 意識がもうろうとする、めまい、ふらつきを感じる場合

症状が気になる場合は軽症でも直接予約なしで受診していただければ対応させていただきます。

胃腸炎の予防法

日常生活での予防策
  • 手洗いの徹底:手洗いは感染予防の基本ですので、トイレ後、外出から帰った後、調理前などには必ず手洗いをしましょう。また、手指消毒液を用いるのは効果的な方法です。
  • 食事の衛生管理:食材の賞味期限や消費期限を守ってください。調理道具やキッチンの清潔さを保つことも大切です。また、肉や魚は十分に加熱して調理しましょう。どんな新鮮な生ものでも感染の原因になります。もちろん、このホームページを記載している私(院長)も生ものが大好きです。生もの摂取時は胃腸炎の覚悟もあらかじめするようにしておきましょう。大事な用事がある前の生もの摂取は特に注意しましょう。
  • 集団感染の回避:胃腸炎が流行している場合、人混みを避ける、マスクの着用なども効果的な予防策となります。
食事や生活習慣の注意点
  • バランスの良い食事:免疫力を高めるために、栄養バランスの取れた食事を心掛けましょう。特に、ビタミンやミネラルを含む食物が推奨されます。
  • 十分な休息:睡眠不足は免疫力を低下させるため、十分な睡眠時間を確保することが大切です。
  • 適度な運動:適度な運動は免疫力を高める効果があります。特に、有酸素運動は胃腸の働きを活性化させると言われています。

これらの予防法を毎日の生活に取り入れることで、胃腸炎のリスクを減らすことが可能です。

よくある質問と答え

Q1.胃腸炎は他人にうつるのですか?


A1. 胃腸炎は感染性の病気であり、他人にうつる可能性があります。特にウイルス性や細菌性の胃腸炎は、飛沫感染や接触感染、食物や水による感染が考えられます。トイレの後に手指に気づかないうちにウイルスや菌がついていることが多く、しっかりと手洗いをするようにしましょう。下痢、嘔吐している間は感染力が高いと考えておいて下さい。

Q2. 胃腸炎の治療薬はありますか?


A2. 胃腸炎の治療は主に症状の軽減と体力の回復を目指します。抗生物質は細菌性の胃腸炎に対して有効な場合がありますが、ウイルス性の胃腸炎には効果がありません。対症療法として、下痢止め等は使用しません。下痢止めはウイルスや菌を腸に留める働きになるため症状が長引く可能性もあります。しっかり水分摂取をすることをお勧めします。経口補水液が第一の推奨ですが、飲むのが難しい場合は点滴による脱水補正で症状が和らぐことも多いです。

Q3. 胃腸炎はいつから学校や職場に戻れますか?


A3. 一般的には、症状が落ち着いてから2日程度は安静にすることが推奨されます。下痢、嘔吐症状が続いている場合は感染力があると判断してください。長引くようであれば、受診して私に相談していただければ幸いです。

Q4. 胃腸炎を予防するワクチンはありますか?


A4. ウイルス性胃腸炎の一種であるロタウイルスに対するワクチンは存在します。これは主に小児に対して接種され、重症化を防ぐ効果があります。しかし、全ての胃腸炎を予防するワクチンは現在のところありません。

 
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